それ、ほんとう?④ 保育士は静かに

えーっと、どこに保育士さんがいるのかな?あの人は、パートさん?それとも・・・誰?

・・と思っていると、保育さん、という光景によく出会う。

担当制やあそびの環境を作る保育では、「保育士は静かに子どもたちに話しかけよう」とまずは指導されるようで、それが静かにどころか囁くような声になってしまっている。

一斉保育をしている保育士さんが、クラスの子どもたち全員を集めて、皆に向けて話しているのは、確かにうるさい。相手が乳児だと、子どもたちは集められてポカーンとしているけれど、伝わりはしない。だから、次の場面でも、また大きな声で指示を出し続けて、子どもたちは相変わらずわけも分からないままに動くことになる。

幼児クラスでも、保育士は声が大きくなければいけない、とでもいうかのように声をはりあげている保育士がいる。話を聞く態勢になっていない子どもたちを相手に、全員の耳に入るように・・・・と思ったら、どうしても声が大きくなってしまうのだろう。

でも、子どもたちが本当に集中して遊び始めると、そして、子どもが関心を持てる話を大人がすることができ、大人と子どもの関係ができてくると、無駄に大きな声を出す場面自体がなくなってくる。

「声が大きいのがいけない、だから、小さい声で!」となると、すべての場面で声が小さくなってしまい、大人としての保育士の存在がどこかに消えてしまう。

しっかりと大人の言葉や話を聞いて、自分の中の語彙を増やしたり、話し方を学んでいる子どもたちにとっては、大人からの場面場面に合った言葉かけ、会話はとても大切だ。

目の前のこと、その周りにいる子どもたちの耳にもそれとなく入る程度の音量で、ごく普通に話せば、聞きたい子は耳を傾けているだろうし、あそびに集中している子のじゃまにもならない。

子どもは、大人が他の子どもに話しかけている内容も聞いている。そうして、話しかけ方や、質問の仕方、伝え方を学んでいる。

ハンガリーの保育園を見に来た人はびっくりすると思う。保育士はとにかくよくしゃべる。時には声の大きい人もいるけど、全員に向かって大声を出しているわけではない。たんに声が大きいだけで、でも、目の前の子どもに、その子に必要なことをしゃべっているのだ。

ごく普通に話そう。

コミュニケーション能力が問題になっている今、囁くような声で保育をしていたら、逆効果になってしまう。