お彼岸

「明日はお彼岸ですね~」テレビのアナウンサーがにこやかに言った。

「え!?おとーさん、明日お彼岸だって、おばあちゃんとおじいちゃんの写真の前に花がない!!」

仏壇というものを持たないまま育つと、その辺りの感覚が全くない。仏壇関係の段取りが全く分からない。同じように仏壇なしの家で育った父など、私以上に仏壇なし歴が長い。

ということで、朝一で花屋に走った。ついでに、おはぎとお赤飯も買ってきた。

(ちなみに、これを書いている時点では日本です)

経験がないということは、意識して学ばないといけないということで、そういう人はたくさんいる。

あなた日本人でしょ、もう大人でしょ、と言われたって、生活環境によってはごく当たり前の常識が抜けてしまうのは仕方ないし、それを補い合って、教え合って社会というのはなりたっているのだと思う。保育園は、たくさんのことを知らない子どもだけでなく、大人とも出会う場所なのだから、楽しく伝えていけることはたくさんある。

ハンガリーにいたら、伝統行事に必要なものを買うという発想自体がなく、全部手作りしているのに、日本だと買ってしまうのは、単に食べる相手がいるかどうかの問題ではないような気がする。周りの人たちが当たり前のように行っている姿を見ていたかどうか、これは大きい。

でも、母の名誉のために補足しておくと、この時期には必ずおはぎを作ってくれていたし、栗ご飯もちゃんと皮をむくところから教えてくれた。毎年必ず手伝っていた日本の年末年始の準備も、一人で生活する日が来たとしても、ちゃんとするのだろうなと思う。

ハンガリーでは、"ハンガリーの伝統を知らないでここで生活するなんて!!"と行事が近くなるごとに事細かに指南して下さった方が何人かいて、私は私で、まるで子どものような好奇心と熱心さでそれを真似していったものだから、おかげで、行事の前にすることはたいがい想像がつく(でも、ハンガリーの学校関係の行事に関しては、いまだによく分からない・・・要は、興味の問題かもしれないですね・・・)。

子どもを育てるということは、決して"今"できることだけを育てているわけではない。

もしかしたら、子育てとは?教育とは?を考えようと思ったら、自分自身を振り返ってみるのが一番分かりやすいのかもしれない。

子どものころに家族の元で身に付けたこと、小学校以降に学んだこと、大人になってから身に付けたこと・・・身につかなくてそのままになったこと・・・。

身についていないこと・・・以前に、身についていないと気がついてさえいないこと、いっぱいあるのだろうなー。