それ、ほんとう?⑦担当制保育

「それは担当制じゃないですよ」

「担当制ってそういうことじゃないんです」

「担当制だと、そうはならないです」

「それは、担当制とはまったく関係ないことです・・・(涙)」

とってもややこしい。

全く初めて担当制を導入するところには、担当制のポイントを伝えることができる。どうでも良い枝葉じゃなくて、幹の部分だ。ここさえ押さえていれば、あとは自分たちでも考えていけます、という部分。

でも、すでに担当制を始めている園の保育を見ると、まずはどうでも良い枝葉刈りから始めないといけないことが多い。どうでもいい枝葉でびっしり覆われている園となると、これはもう、全く違った保育であって、担当制云々という話ではなくなってくる。

担当制は、もともとハンガリーの乳児保育で考え始められたもので、日本に広まっているのは、たくさんの方が、自分たちなりの解釈で、自分たちなりの価値観も加えていったものだ。その中には、とても大切なものもあるけれど、今の日本の担当制を取り巻く世界にはどうでも良いものが山のようにある。

そして問題は、たくさんの保育園や保育士さんが、その、どうでもよい事柄で悩んでいる点だ。

「2歳になっても、一対一でトイレに行かないといけないんですか?トイレでも、他の子にお尻を見せないようにしないとダメですか?」

わざわざ皆にお尻を見せびらかす必要はないけれど、保育園のトイレというのは、ある程度お尻が見えてしまっても仕方ない空間だ。それも、着脱がまだそれほどうまくはない、でも自立もし始めている二歳児となれば、二人か三人でトイレに行くようになるし、誰かがお尻を出している場面は当然出てくる。それと、部屋の真ん中でおむつ交換をしていたり、幼児のトイレに目隠しがないのとは話が違う。

でも、この質問をした保育士さんたちは、真剣に悩み続けていたらしい。

「台所の食材はチェーンリングや花はじき、お手玉じゃないとダメなんですか?本物の野菜に似たような食材の方が、楽しいと思うんですけど・・・」

そうですよねー。子どもだって、本物に似たもののほうが「みかんの酸っぱい味」を思い出すかもしれないし、お母さんと一緒に食べたおむすびの場面を思いだすかもしれない。

カシャカシャ音がするプラスチックのブロックはダメで、カシャカシャにぎやかなチェーンリングの食材はどうしていいんだろう?焼いているみたいな音だから?でも、子どもたちは、お肉みたいなものをフライパンにいれて、自分の口で「ジュ―」っと言って、聞こえない音を聞くことができる。きっと、その後には香りも感じるのだろうし、お肉にはご飯もいるし、お汁もあった方がいいと思って、机の上に並べだす。

カシャカシャ混ぜているだけで一向に次のあそびに進めないこと、そして、ブロックでしかできないこと、ブロックだから他のあそびとつなげられることがあると考えてみたらどうだろう。

そう、ごくごく普通に考えてみよう。そして、ごくごく普通の感覚で、子どもたちを観察してみよう。そうしたら、もしかしたら、大切なことが見えてくるかもしれない。