共感能力 ~バス事故への国の対応~

高校のスキー旅行からの帰りのバスが、原因不明(現時点)の事故で全焼した。16名が亡くなり、2名が重症。軽症・ほぼ無傷の子どもたちもいるが、燃え上がるバスに仲間を残して逃げる過程だけを想像しても、心理的なショックの大きさは計り知れないだろう。

昨日からのマスコミの取り上げ方や国の対応を見ながら、過去の日本での事故や事件に対するマスコミの対応や国の対応を思い出していた。

土曜日から今日、月曜日まで、一番メインになっているのは残された家族への共感で、それこそ国中の人が自分の家族を思い出し、生き残った子どもたちの辛さを想像し、痛みを分かち合っている。

この、政府も含め、国全体が喪に服している姿に、かつて、日本で子どもたちが大勢殺されたり、事故で亡くなった時に、こういう反応があっただろうか?と考え込んでしまった。

事故のあった学校の同級生や教師たちのためにカウンセラーが大勢派遣されただけでなく、何よりも驚いたのが、昨日のうちに、ハンガリー中の教師が参考にできるようにとカウンセラー協会から、教師向けの資料が制作され、誰もが手に取れるようにとネットに載ったことだ。子どもたちと会話するときの注意点やテーマにあげられること、質問できること、対応のポイントがまとめてある。

事故に関しての会話や質問で教師が困らないように・・・ということもあるのだろうが、映像を見たり、大人たちが悲しんでいる姿を見てショックを受けた子どもたちに、できるだけ広範囲でケアーができるようにと考えて作られている。

日本でも、大地震や津波の映像を見て恐怖を感じた子どもたちは決して少なくないはずだが、それに対して、国は、専門家(一個人としてではなく、組織として)は何か行動しただろうか? 家族を失うこと、特に、子どもを失うことがどれだけ悲しくつらいことで、それを乗り越えることがどれだけ時間のかかることか、その視点をメインにしたマスコミがあっただろうか?

直接は関係ないような場所に、事故にあった子どもたちと何らかの形で接点があった子どもたちや家族がいるかもしれない。事故を目撃した子どもたち、その場にいた子どもたち、子どもを失った家族たちの悲しみにまず共感し、どう支えることができるかを考える。

国(政治家一人一人)がまずどういった視点で反応し、どう共感するのかは、マスコミに、そして、国民全体の価値観に影響を与えていく。

ハンガリーという国の根底に流れてる「子どもは宝物」という価値観は、国の子ども・家族に対する姿勢が出発点になっているのだろう。